Yoshiaki-FigLeavesのブログ

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日本の宇宙産業が遅れている理由(政治編)

こんにちは。

ハイパーエイトの五十君さんという方と先日会いました。かれは自分が会ってきた人間の中でもずば抜けて面白い人間です。

 

自分は100兆円の企業を創りたいんですよ。でも日本では宇宙ビジネスはやりづらい。だから海外に行くんですよ。アメリカに行って、ずば抜けた成功を収めたいんですよ。

 

ちなみにこれは会って30秒くらいでこの会話をしました。笑

インフラや政治、物資等々の諸条件を考慮した結果、そうなるのも自然かなと思います。しかしながら、彼のような日本の優秀な人材が海外に流出してしまうのは、国としてはもったいないなと思ってしまいますね。

 

日本がこれから技術発展していく上で、宇宙技術は重要なファクターです。宇宙技術は最先端の科学技術が導入されていて、宇宙技術の発展が日本の科学技術に発展します。ですので、今回はその「やりづらい」を具体的に考察してみます。

 

 

日本の宇宙ビジネスの現状

 

日本の宇宙ビジネスが米国とどれほどの開きがあるのか。下記のデータを見てみます。世界比較のデータが落ちて胃ので、みていきましょう。

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日本の市場規模はざくっと米国の15分の1となっています。アメリカはNASAを中心に現在では民間も盛り上がっているので、他国を圧倒する規模感で動いています。アメリカの場合は軍需産業に力を入れている関係もあり、宇宙産業へ投資をし、そこで得た技術を軍需に投資をしていくのが一般化されています。

 

日本では官需が90%を超えており、ほとんどが政府主導となっているのが現状で、民間の宇宙ビジネス従事者は数は少ない。

【参考】我が国と世界の宇宙産業の需要構造(2009年)

http://www8.cao.go.jp/space/comittee/dai6/siryou6-3.pdf

 

では、なぜこれほどまでに日本の宇宙産業が立ち後れているのか。政治史から紐解いていきたいと思います。

 

第二次世界大戦の影響

 

ご存知の通り、日本は第二次世界大戦で大敗を喫しています。敗戦後、日本は1951年のサンフランシスコ平和条約の締結まで航空関連技術の開発が禁じられました。この7年にわたる空白が1つ日本の航空技術が遅れる原因となります。

また日本という国柄、大型のロケットは危険とされ、小型ロケットの開発計画が中心だったので、世界との差が生まれたと言われています。

AVSAと糸川構想 | 日本の宇宙開発の歴史 | ISAS

 

そして、1952年にようやく、宇宙開発と原子力開発が再開されました。宇宙政策シンクタンクの五代氏によると、その後の政府の戦略が大きく響いたそうです。事実、原子力における基本法は1956年に制定されたのに対して、宇宙基本法の制定は2008年です。

 

宇宙開発と原子力の共通点として、両者はビッグサイエンスと世の中ではいわれていましたが、日本では、資金・人材などの実態では到底比較にならないほどの差があります。

 

ジャーナリストの川端幹人さんによると、原子力界、電力業界の年間広報費は2000億円に迫り、それだけで宇宙開発総経費の3分の2になるようです。

 

そこまでいかなくとも、すくなくとも東京電力の年間広報費が250億円という巨額で、それがメディア、地域などに広くまかれていることが知られています。 

http://www.soranokai.jp/pages/space_nuclear_1.html

 

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米国の影響

 

先ほども書いたように、そもそも宇宙技術は「軍事」と密接に関わっています。GPSの位置情報はペンタゴン軍事行動のトラッキングとしてスタートしているのも事実です。

 

ロケット技術はミサイル技術への転用が出来るので、大きなリスクも伴います。特に固体ロケットの技術はミサイル技術に近いので、開発に対しては牽制をうける事もあるらしいです。

 

 

日本は米国から強い牽制を受けたらしく、『宇宙ビジネスのための宇宙法入門』に具体的に記されています。

当時(1969年)米国は日本のISASが着々と推進する固体ロケット開発に

大きな懸念を持っていたと言われている。

そのため米国は当時としては最先端ではない液体ロケットの技術供与を行なう事で、日本を液体ロケット開発に向かわせ、ミサイル技術の拡散を防ぎ、米国への依存を確保したと言われる。

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ファルコン9の打ち上げ

 

さらに同書によると、1990年代に「日米衛星合意」がなされた事で、価格競争に負けてしまった事も宇宙産業に響いているとのことです。こういった事情が重なり、歴史的に見ても遅れる理由があったのです。

そして、現代の問題に移ります。

 

日本の統治機構

 

大きな問題は日本の統治機構です。日本では意思決定権が政府にありますので、面倒な事務作業がどうしても多くなってしまうのが現状です。意思決定が多いということはスピード感も出なければ、許可が下りないことが多くなるということです。

 

実際、宇宙ロケットを打ち上げるにしてもその手続きは複雑で、多くの役所関係に届け出を行なう必要があります。

 

そのため、整備すべきはハード面よりもソフト面だと言えるでしょう。

道州制の導入や宇宙法の改訂、資金流入の整備が必要になってくると思います。

 

現在安部さんも道州制は前向きですが、圧倒的なリーダーシップが発揮出来るかが大きな課題となりそうです。