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Yoshiaki-FigLeavesのブログ

組織/アプリ/テクノロジーについて書いてきます!

海外の宇宙産業について ー宇宙産業の国際比較ー

宇宙 社会

宇宙について書こうと思います。日本の「ものづくり」文化は素晴らしく、韓国が宇宙で足踏みしている中、日本が宇宙について先を走れるのはマーケティング視点よりも、技術視点が発達していたからだなぁと思います。

 

で、今回はこれまでは日本での話題がほとんどでしたので、世界に目を向けていきます。テーマは宇宙産業の国別課題と展望です。

 

まずは簡単な概要からいきましょう。。。技術差異があるのかどうか、という視点ですね。打ち上げ成功率から見ていってみます。

 

ロケット打上げ成功率ランキング

 

1.ロシア  打ち上げ回数1663 

      失敗数1598 成功率96%

 

2.EU     打ち上げ回数231 

      失敗数12 成功率95%

 

3.  中国    打ち上げ回数191 

      失敗数11 成功率94%

 

4.  アメリカ  打ち上げ回数672 

      失敗数41 成功率94%

 

5.  日本    打ち上げ回数75 

      失敗数5  成功率93%

 

6. インド    打ち上げ回数43 

      失敗数9 成功率79%


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比較してみると面白いのですが、数年前までは中国よりも日本の方が成功率が高かったのですが、近年実績を積み上げてきた中国に対して日本はどんどん遅れを取っていきました。

 

基本的に技術的なところで行くと、輸入品(ロシア製などを中心に)が多いので、大きな差異は出ていないように思えるかもしれません。

 

しかしながら、1回の失敗が大事故に繋がることを考えると、たった1%でも大きな差になりますよね。

 

この差については、政治の部分が大きいのですが、特に何かって、軍事費との相関性は大きいのではないかと思います。

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軍事に力を入れている国はやはり成功率が高い、とまでは言いませんが、軍事大国であればあるほど、宇宙開発に力を入れる国が多いのは当たり前です。

 

ちなみにイスラエルはこの指標において26位でしたが、彼らの場合、軍事の主に迎撃とセキュリティ面への強化度合いが高いので、そこまで多くないのが現状ですが、それに付随する宇宙開発にも力を入れているらしい。

 

さて、宇宙への投資額については、アメリカの投資額は387億ドルという数字を持っています。これは最大であるものの、ここ10年はシュリンクしている状況です。

 

一方で、ロシアは大幅な宇宙分野での公共投資を行っており、アメリカについで100億円規模の予算を持つ宇宙大国です。中国も同様、大きな投資を行っていまして、GDPに占める宇宙関連支出の割合で世界8位を記録しています。この意味は、世界最大級のGDPを持つ中国の宇宙関連支出がこれだけ高いのは恐ろしい事です。


宇宙関係の投資が10億ドルを越える国は、日本、中国、フランス、ドイツ、イタリアとインドの6か国となっている。
宇宙関係の投資が1億ドルを越える国は、イギリス、カナダ、ブラジル、スペイン、韓国、ベルギーカザフスタンアラブ首長国連邦、アルゼンチン、オーストラリア、オランダ、スイス、トルコ、イスラエル、ナイジェリア、イラン、ノルウェーの19か国となっています。

 

以上のところを見ていくと、おそらく国別の要因が何かしらあったのが読み取れると思います。そこで、詳しく見ていく事にしましょう。

http://response.jp/article/2014/02/18/217440.html

  

 

宇宙産業の国際比較

 

アメリカの宇宙産業

 

まずは米国です。言うまでもない、最も宇宙開発が盛んな国です。アメリカの宇宙産業は、特に第二次世界大戦前後に盛り上がり始めた産業です。

 

基本的には軍事的な視点で「ロケット」及び「人工衛星」を利用しようという考え方から始まりました。

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(当時のトルーマン政権)

 

その後、1958年にロシア(当時のソビエト)がスプートニク号を打ち上げた事によって、米ソによる宇宙開発競争が起こり、宇宙産業は凄まじい進展を遂げました。

 

アメリカは、政治主導でガガーリンの有人宇宙飛行やアポロ計画による月面着陸、バイキング計画による火星探査、ディスカバリー計画等々、大きな功績を収めてきました。

 

背景にあるのはやはりロシアとの対立関係で、どちらが宇宙戦線をとるかが政治的に大きな意味合いを持っていたと言えるでしょう。

 

 

そんな中で、民間による宇宙産業は2000年代から加速を始めているようです。

 

2001年4月に実現した。アメリカ
のスペースアドベンチャーズ社がロシア宇宙局と契約行
為を仲介し、国際宇宙ステーションISS)に人員と物資
を補給するフライトに便乗する形で、ソユーズ宇宙船の
1席を買い取り、アメリカの実業家デニス・チトー氏を
軌道に送り国際宇宙ステーションに9日間滞在させた。

【引用】http://www.tokugikon.jp/gikonshi/257/257tokusyu2-6.pdf

 

2002年には、イーロン・マスクのスペースX社が設立され、その他にも宇宙ホテルなどが存在します。

 

最近では、FacebookGoogle等のIT大手も参入している宇宙ネットなんてのも面白かったりしますね。

そのあたりはこちらで書いています。

yoshiaki-figleaves.hatenablog.com

 

アメリカの宇宙産業は結構盛り上がっていて、宇宙機器の産業約4兆円と言われており、なんと、日本の15倍もの市場規模があるんです。

 

アメリカではしかしながら投資額が現状減少しています。民間のエンジンがどこまで伸びていくかが鍵となりそうですね。

 

中国の宇宙産業

 

続いてお隣中国です。

 

中国の宇宙産業は急成長を遂げています。が、実は民間での宇宙産業はほとんどないらしいです。

 

かなり規制が厳しいので、打ち上げには相当の体力がいるらしいです。もちろん日本でも面倒ですが、中国も同様、審査や許可申請に時間も労力もかかるので、大変みたいですね。

 

その為、CNSAと言われる国家航天局と、人民解放軍が行なっているらしいです。

 

 

 

中国も他国と同様、核弾道ミサイル関連に基づいた開発を実施。主に軍需が非常に強いので、宇宙産業が重要視される傾向にあるようですね。

 

とにかくポイントは軍需なんですね。政治的ショーとなっているのですが、だからこそ中国は強い。

 

 

 そして、中国の特徴は「ハッカー」が産業になっている事ですね。AFPでこんな記事を発見しました。笑

 

米情報セキュリティー会社「クラウドストライク(Crowdstrike)」は9日、中国人民解放軍ハッカー部隊が、西側諸国の衛星通信や宇宙事業に関する機密情報を取得するため、偽の電子メールを送り付けるなどのサイバー攻撃を実施していたとする報告書を発表した。

 

同部隊の手口は、一見無害そうな名前のメールアドレス(例えば「mike.johnson_mj@yahoo.com」など)から、偽の招待メールを送り、中に書かれたリンクをクリックさせることによってコンピューターシステムに侵入するというもの。仏トゥールーズ宇宙センター(Toulouse Space Center)の職員らに送られたある添付ファイルは、近くのヨガ教室のパンフレットを装ったものだった。

 

 同部隊は「宇宙監視、遠隔探査そして衛星通信の傍受」を狙い、「防衛技術に関連した知的財産や産業秘密の取得」を試みていたとみられると、報告書は指摘している。

www.afpbb.com

 

 

以上のように、中国では大きな国策として宇宙産業が発達しています。従事する人数も23万人超と言われており、非常に盛んだと言えますね。

 

そろそろ、ジャック・マー(馬雲)が手を挙げるんじゃないでしょうか。

 

ロシアの宇宙産業

 

 さてさて、ロシアに目を移します。

 

ロシアはソ連の時代から非常に活発な宇宙活動を続けてきました。

 

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ロシアの強いところはその冶金技術。ロシアはソ連スターリン政権下の時に国防的な観点から、重化学工業人材に投資を下と言われています。そういった背景もあり、歴史的に金属加工が優れているのがロシアの大きな特徴となっています。

 

堀江貴文氏がそれについて言及しています。

ロシアの冶金技術はすごいといわれています。

 

ロシアのロケットエンジンで主燃焼室の前の副燃焼室というか、予備燃焼室みたいなところに使っている熱に強いタービンブレードの羽根は、もうロシア以外では作れないらしいんですね。

 

だから、米国の主力ロケットの1段目はロシア製だそうですよ。

日本でも、ロシア製のロケットエンジンを採用しようという話があったとも聞きます。

techon.nikkeibp.co.jp

 

アメリカでさえ、ロシア製を使っているのでちょっと衝撃ですね。ロシアの宇宙開発もアメリカ同様、予算が減少傾向にあるものの、こういった金属加工で外貨を稼いでるところが強いんです。

 

しかしながら、日本同様、人材流出と高齢化が避けられない。政治的な観点からも負けられないのがロシアの本音だと思います。

ロシアの宇宙開発 - Wikipedia

 

ちなみに、余談ですが、ロシアでは宇宙の物が「不動産」として国家登記が必要ですので、基本的に国の物です。

ロシアとか中国は本当になんかすごい国だなと思いますね。

 

 

 

 

インドの宇宙産業

 

インドの宇宙産業は昨年、火星探査を格安ロケットで実現した事で大きな注目を浴びています。

 

その時には、アメリカの約10分の1の金額(約80億円)で実現しています。格安ロケットは創れるんですね。

 

 

理由は何と言っても「安い人件費」です。

 

宇宙産業においては「人件費」が大きな割合を占めますので、若くて有能な人材を低コストで調達出来るインドが今浮上しているわけです。

【参考】http://www8.cao.go.jp/space/comittee/tyousa-dai7/siryou1-1.pdf

 

さらには国民性も垣間みれます。

 

インドのコスト削減と「倹約エンジニアリング」の才は、ヒンズー語で「火星の乗り物」を意味する「マンガルヤーン」と呼ばれている今回の火星探査機ミッションで示された。

 

ISROでは安価な選択肢を創造することを意味するインドの「ジュガード」の精神にのっとった。

 

その結果、重量350トンのマーズ・オービターを火星への400キロの旅に直接向かわせるのではなく、約1か月間、地球を周回させて、地球の引力から脱出できる速度をつけた。

www.afpbb.com

 

 

そして、3Dプリンタの技術を使って、宇宙産業もいまや低コストのロケット開発ができるようになってきました。インドはそれを実施した企業です。

 

また、国営企業のAntrix社がデータ販売を行ない、収益を出しています。衛星の画像データや地球観測に役立ててるとの事です。と、いうのもありますが、恐らく軍事的な側面も大きく、衛星の写真データを協力国に打ってる可能性もあるかなと、個人的に思っています。

 

【参考】http://www8.cao.go.jp/space/comittee/tyousa-dai7/siryou2.pdf